蕎麦打ち奮戦記


何か自分流の手料理で客人をもてなすことが出来ないものか、漠然と考えていた。お茶のお点前が出来れば茶を点て会席膳でもてなす事も出来ますがそんな甲斐性はありません。
30年ほど前、そんなことを考えていたある日、偶然に自分流のお手前で客人をもてなしているテレビ番組を見ました。主人の田中一光さん(故・グラフィックデザイナー)は朝取りのタケノコをメインに、食材をいかにも男が好みそうな味付けで創っていました。器は孟宗竹の半割と自然石の皿、特注の信楽焼、居間と庭先がもてなしの会場です。野山で摘んだ春の花や青竹、カズラが素朴なタケノコ料理を引き立ててくれます。さりげなく飾られたご自身の作品が光っていました。食材探しや器づくり、部屋の飾り付けなど季節感を漂わせる雰囲気は主役の主人と客人、それにタケノコ料理、それらを包み込む空間が一体となり心地よい雰囲気を創り上げていました。一光さん独自の世界がそこに広がり、空間芸術といえるものでした。

 蕎麦を中心にそれらの雰囲気をつくり四季折々の楽しみ方をしたいものです。
蕎麦に関わる知識も拘りも持ち合わせていませんが打ち立ての美味い蕎麦をそれも自前で打って食ってみたい。 他人様に薦められるほどになれるとなお良い、と考えてはじめたそば打ちです。

 取りあえず打てるようになりたいと無我夢中になった一年目、蕎麦うちの面白さやその奥深さと難しさを感じた二年目。当初描いた夢のほど遠さを感じ悪戦苦闘した三年目、蕎麦の持つ奥深さと広がりに戸惑いを隠せない四年目。そして立ち止まりる。振り返るより先へ進む道を選んだ五年目。
六年目は念願だった蕎麦会席の手ほどきを受け、客人に振る舞うことが出来、6月は日本そば大学の受講、10月は松本そば祭りに出展、11月は三回目となった地元中学校(横浜)でのそば打ち体験授業そして故郷の長崎県小値賀島でそば会を開いた年の暮れでした。

 7年目の春は蕎麦料理にじっくり取り組み、何度かの「もてなしの蕎麦」で振る舞い、初夏には和食の料理人へ蕎麦打ち指導、そして秋には島で三度目の蕎麦打ち。8年目の春、念願だった東山にて「もてなしの蕎麦」を秋には菩提寺にて「手打ち蕎麦会」を開催。
9年目の春、見違えるように蘇った東山で「お昼の蕎麦会席」、秋の蕎麦も予定が決まりました。

 10年目のそば打ちは懸案でした「そば打ち四段位認定大会に挑戦しました。
歳を重ねる度に現状の姿を維持し、健康的にスマートに蕎麦を打つのが課題となってきますが少しでも蕎麦を取り巻く環境作りを良くしたいと考えております。

 いつの間にか14年目のそば打ちとなりました。
偶然に田舎の納屋から出てきた古い石臼。石粉と戦いながら再生してみました。新蕎麦の季節が楽しみです。
そば打ちは無理の無い身体の使い方に気をつけながら楽しんでおります。
日頃より私のそば打ちに理解と協力、そして支援をしてくれる皆様に感謝です。
(2016.07.05)




*自己の記録として綴っております。 宜しかったらご覧ください。
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<2003年>
◆先ずは道具を揃えてみました。
◆最初に打った蕎麦、形はどうであれ激旨
◆そば粉の仕入れと10回目の蕎麦うち
◆お招きするには早いけどミニ試食会を開催
◆東京蕎麦塾オフ会
◆總持寺「ふるまい蕎麦打ち会」
◆秋のお招き蕎麦

<2004年>
◆道具あれこれ
◆出張蕎麦打ち この一年間に打った蕎麦
◆阿蘇の蕎麦街道
◆変わり蕎麦
◆進化する自前の道具 【打ち台】
◆自前の道具あれこれ
◆器


<2005年>
◆段位認定山都大会  二年目を振り返って
◆三年目の道具その1・巻き棒、生舟、駒板、切り板
◆三年目の道具その2・木鉢台、オクタゴン、手回し篩器
◆変わり蕎麦いろいろ
◆焼きアゴと鰹厚削り節
◆粉挽き
◆そば猪口  猪口の染付文様

<2006年>
◆三年目を振り返って
◆進化する自前の道具 [打ち台 道具の改良]

<2007年>
◆繊細で優しい気配りの蕎麦打ち
◆5年目の道具類
◆そば寿司と天ぷら教室
◆いよいよ三段位に挑戦
◆中学生の蕎麦打ち体験授業
◆出張そば打ち

<2008年>
◆進化する自前の道具
 【四作目の打ち台と無垢の木鉢】

◆蕎麦会席への道
◆信州・松本そば祭り
◆長崎県・小値賀島で蕎麦会
◆もてなしの蕎麦

<2009年>
◆手荷物で運ぶ「のし板」パネルセット
◆2009年初夏「もてなしの蕎麦」
◆蕎麦で島の秋祭りと音楽祭に参加

<2010年>
◆東山で「もてなしの蕎麦」
◆明覚寺「手打ち蕎麦会」

<2011〜2016年>
◆近頃の蕎麦料理の献立
◆古い木鉢の再生

◆そば打ち四段位認定大会
◆石臼の再生


TOKYO蕎麦塾とその仲間達(リンク集)
lastup 2016.07.05 update 2003.03.07



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