蕎麦打ち奮戦記

麺棒削り機  麺棒の製作



 画像の左端の麺棒は「一本棒 丸のし」用で長さ1200mm径33mm、中二本は巻きとのしどちらでも使用可能で長さ1050mm径27mm。右端は地のし又は手のし用で40×27mm、長方形で片面を少しラウンドさせています。
 


 麺棒の製作は約10年ぶりです。
製作工程は大きく三工程で進めますが今回は二工程目用に麺棒削り機を自作。
旋盤風の簡単な機械ですが製作時間が大幅に短縮され麺棒の精度も良くなりました(2019年11月)

◆画像をクリックすると大きめの画像が開きます。


◆四角形の角材を円形に削り麺棒を造ります。

 最初の工程は鉋を使用し四角形の角材を十六角形に削ります。
角材を固定する治具(画像参照)を作業台にクランプで固定し最初は八角形、次に八角形の角を落とし、十六角形にします。


◆次の工程は十六角形の角を紙やすりで円形にします。
以前は紙管の内側に紙やすりを貼りつけ、掌で押さえながらひたすら麺棒の両端を往復させ角を取り円形にしました。


今回、この工程を処理する旋盤風の麺棒削り機を自作しました。



主軸台に電動ドリルを固定。
ドリルの首の部分を木枠で締め付け、本体部分を台にベルトで固定させます。
芯押し台の軸受けは堅木を使用。麺棒を固定するチャック部は爪付きナットを加工しました。





主軸台と芯押し台をクランプで作業台に固定します。
紙管の内側に紙やすり120〜180番を貼りつけ角を落とし円形にします。
次は正確な円形を求め紙やすりは240〜320番を使用します。




◆最終工程は紙管の内側に紙やすりを貼りつけ掌で押さえながら麺棒の両端を往復させます。紙やすりの番手は400,600,800,1000,1200と徐々に上げながら木肌をつるつるに光る様に仕上げていきます。


今回は効率も良く三本の麺棒を製作しました。



<参考> 友蕎子の麺棒
 友蕎子( 故・片倉康雄)の刻印が両サイドに押された麺棒です。
材種は桧のようですが径 27mm 長さは520mm。かなり古い「のし棒」のようです。
偶然でしょうが自作の麺棒の中で一番美しく機能的だと感じていたのがこの友蕎子の麺棒サイズでした。
大きさや材種、木肌、仕上げの様子など手にとって眺めながら当時の片倉康雄の世界を想像するだけで蕎麦打ちのロマンを感じる残された名品の一点です。



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