蕎麦打ち奮戦記


◆全麺協素人そば打ち段位認定山都大会(2005年3月19日)

全国麺類文化地域間交流推進協議会ではそば打ちを通じて仲間づくりと地域づくりを進めることによって、より豊かな人格形成に資することを目指し「全麺協素人そば打ち段位認定制度」を設けています。
二年前まではこのような制度があることすら知らず、またつい最近までは受験する予定もありませんでしたが福島県の山都まで足を運び、蕎麦に限らずその地域の自然と人情に触れ、また一つ蕎麦の世界が広がりました。この大会は「山都寒晒しそばまつり」と合わせて開催されているものです。


画像は一組目ゼッケン三番を付け大勢の観客の前で蕎麦を打ち審査を受けているところです。
台の高さの関係もありますが前かがみの姿勢はお薦めできません。麺体の切れ端が切り板にかかってるのも気になります。
整理整頓の観点からすると生舟と包丁鞘の置き方も減点の対象かも知れませんね。
さて大会の課題は何度か練習していますから普段の通り打てればそんなに心配することはありません。それでも日頃とは違った緊張感が走り落ち着いているつもりでも少々あがっていたようです。
先ずはそれぞれの行程でのスピードを考え最初は両隣の受験者とペースを合わせながら打つことにしました。
制限時間を半分ほど経過し、ペースが幾分遅れ気味と気付き、慌ててスピードを上げ量的には8枚折りで切るところを12枚折りでたたみ切りの時間を短縮して終わらせました。
初段の認定基準はそれ程むずかしいものではありませんが審査は厳しいものがあります。
今大会の審査員は5名、審査委員長は私にとって蕎麦うちの最初の参考書となった「こだわりのそば打ち入門」の著者・唐橋宏さんです。
審査員全員が全ての行程において受験者の手順や麺体の状態などを詳細にチェックします。
くくりに入りそば粉の半分を試しに練り水加減を見ますが何時もと同じような柔らかさです。残りの半分も纏めて練る予定でいると審査員のお一方が麺体に指を押し固さのチェツクをしますが固めだとアドバイスを頂きました。残した練り前の半分に僅かですが加水をし一つに纏めて菊練り、臍だしの行程を終えのしの準備に入ります。
その状態の時、唐橋委員長が同じように固さの確認に廻って来ましたので麺体の状態の良否をお伺いしたらOKのサインを頂き一安心、その後の行程に良い影響をいただきました。ほんの僅かでしたが唐橋さんのお人柄に触れた貴重な一時でした。
結果は採点表として各人に手渡されどの行程で減点されたかが明らかになります。
今回の大会で自分の腕前がどの程度かが分かりましたがその他にも得るものが沢山ありました。
それぞれの行程で細かいところは打つ人によって少しずつ異なっていましたが3本の麺棒を使い丸から四つだしをする江戸流の打ち方は基本的に同じでした。
大方の受験者はその打ち方でしたがこの地方独特の一本麺棒の打ち方をされる方が5人程いました。
四つだしをせず丸い麺体を大きくのしながら厚みを揃えていきます。
トントンとリズム感のある音で大きめの麺棒に巻いた麺体をのし板に打ち付けながら薄くのします。たたみサイズは似たようなものですが中抜きと呼ばれる平たい包丁で切り、生舟に揃えられた蕎麦はとても食感をそそられる姿をしてました。
初めて出会うそば粉は加水量の見極めに難しいところもあり一組目の審査には若干不利な面もありますが終わってから他の方々の審査風景をじっくり見学したり、合間に寒晒しそば祭りの会場へ出向き美味しい蕎麦をいただくことも出来ました。
審査の為に打った蕎麦は各自が持ち帰れるように紙箱が用意されましたが次の日の予定もあり地元の観客の方に上げることにしました。その方が寒晒しそば祭りの会場でわざわざ私を探しだしお土産にと地元のそば粉を頂きました。
大会の参加者は予定より増員したこともあり審査結果の発表と閉会式が大幅に遅れ、予定していた盤越西線の登り電車に乗り遅れ次の電車までの待ち時間が二時間余りです。
やむなく次の目的地までタクシーで移動するつもりでしたが同じように会津若松から大会に参加した会津蕎麦塾の方に巡り会い親切にも次の目的地・東山温泉まで送っていただきました。
お陰様で一風呂浴び夕食に間に合うことが出来ました。
ありがとうございました。
大会前日に山都に入り2泊3日の行程でしたがお世話になった方々やお知り合いになった方々に来年もこの大会でお会いできるよう上位を目指し上達したいものです。

 【参考】
 全国麺類文化地域間交流推進協議会  
 会津そばトピア会議
 福島県山都町
 東山温泉


◆二年目を振り返って

技術の方は一年目と比べさほど進歩してない気がします。
考えられる原因の一つにそば粉の問題があります。昨年夏(2004年)の台風の影響で北海道の蕎麦の生産に大きな打撃を与えこれまで使用していたそば粉が手に入らなくなりました。取り寄せるそば粉の種類や産地も増え、その都度打ち方に影響を与えます。
水廻しの加水量や捏ね、のしの段階で麺体のしまり具合など随分と粉によって違いがあります。粉の見極めも蕎麦うち技術の大切なひとつです。打ちやすく繋がりが良く香りも味も良しとなると、、、、それらの判断が付くようになるには現段階では先の見えない道のりが続きそうです。
 【参考】二年目にお世話になった製粉所さん
 古川製粉所  北村そば製粉  柿沼製粉  北東製粉  北川製粉所

新しい出張用の打ち台が出来たことも手伝い単独の出張蕎麦うちも増えました。
個人宅にお伺いしての蕎麦うちは5〜6人が限度ですが昨年の暮れは「仕事納めの振る舞い蕎麦」と題し仕事場に道具を持ち込み昼食に合わせその場で36人前の蕎麦うちをご馳走しました。茹では一人で無理ですから配下が用意してくれた大容量のコンロとプロパンガスのボンベ、大きな寸胴鍋で即席の茹でを伝授し賄うことにしました。たっぷりの汁を用意したつもりでしたが好評だったらしくそば湯のおかわり続出で賄いの5人前が足りなかったようです。
年が明け今度は同窓会の新年会での蕎麦うち、赤帽さんにお願いし道具類一式を神田の小料理屋まで運び打ち終わったら同じ便で自宅へ返送です。
普段はこんなことは出来ないでしょうが貸し切りの会場と実費は同窓会持ちと云うことでしたのでいつものように心おきなく夜遅くまで皆と飲むことが出来ました。
三年目も良い出会いと美味い蕎麦うちが出来るよう願っております。・・・つづく
(2005年4月5日記)



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