蕎麦打ち奮戦記



■道具あれこれ


昨年12月20日、TOKYO蕎麦塾で会員向けの蕎麦打ち教室が開催された。昨年の春以来、一度は教室で蕎麦打ちの手ほどきを受けたいとチャンスを伺っていたがこれぞと思う教室はあぶれてばかり、11月のキリンビール主催の蕎麦打ち教室も抽選に外れましたから待ちに待った企画でした。参加者は会員の内22名、午前8時半に蕎麦塾共有の道具類一式を会場へ運び麺棒、包丁、駒板などは各自の持参です。お手本となる模範打ちをスタートに皆さん自慢の道具で蕎麦を打ち、午後4時に終了しましたがお昼も打ち立ての蕎麦を立ち食いですすり、腰を降ろすのも忘れるほど皆さん熱心で楽しい教室でした。その時の教訓を活かしつつ気がかりだった道具類を改良することにしました。



【のし板と台】

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これまでテーブルの上にのし板(シナ合板12mm 900×900mm)を乗せ、蕎麦を打っていましたが低すぎるのか腰に負担が掛かり痛みが走ります。それを解消するため写真のような高さ調整の台を制作しました。組み立て式の桐の集成材です。



【麺棒の制作】

麺棒は昨年の春に購入したのし棒(桧、長さ750mm径30mm)とまき棒用に購入したラミン材の丸棒(長さ900mm径30mm)ですが蕎麦打ち教室に持ち込まれた皆さんの麺棒と比べてみると姿も状態も機能までが見劣りがします。麺棒自体と手入れの方法や収納にも問題があるようです。道具屋で求めるのを最後の手段と考え、自作麺棒の制作に取り組んでみました。

素材は角材ですが先ずは近くのDIYセンターへ。長さが900mmと1,800mmの角材は材種、寸法共に数多くありますが希望とする角材はなかなか見あたりません。今回の制作はお試し版と云うことで27mm角の桧材と30mm角の松材を選択しました。陳列棚より取り出し木目が細かく柾目の通りが良い物を選び、桧材を2本と松材1本を購入。価格は370〜400円/本でした。


左の画像より@線引きをした角材(四角形) A角材を固定する為に作業台に取付た二本の固定材と滑り止め

断面形状が四角形の角材を鉋で削って八角、十六角、三十二角形とし、サンドペーパーで丸く仕上げる方法を取ります。先ずは正八角形となる面取りの位置に線引きをし、木目を見ながら少しずつ削ります。



左の画像よりB最初の鉋掛け後の八角形 C八角の面を落とした十六角形
目分量で面を取り八角形を十六角、三十二角形へと整えます。次ぎにサンドペーパーを使い真丸に近づくように削っていきます。



Dサンドペーパーは筒状の厚紙に貼り付けます。仕上げの段階で使用したナイロンタワシ状の研磨材2点
E筒状厚紙にナイロンタワシ状の研磨材を取り付けたところ




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丸棒の表面を滑らかにし、水拭きして自然乾燥させます。その後は麺棒として整えます。丸棒の表層部へ浸透するように豆乳を塗り込み、自然乾燥させナイロンタワシ状の研磨材で余分な豆乳をそぎ落とし、磨きをかけ最後にセーム皮で整えます。豆乳〜乾燥〜研磨の作業を7〜8回繰り返すと表面はしっとりした光沢のある麺棒となりました。
写真、左より市販品の麺棒(30mm)一本目の自作麺棒(26mm)二本目の自作麺棒(26mm)



【麺棒の収納場所】

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麺棒は以前ご紹介した道具類を収納する棚に納めていましたが湿気を帯びる場所だったようで麺棒に狂いが出たり表面の状態が良くありません。そこで目を付けたのが写真の場所。最初にこね鉢を乗せた棚状箱の内側になります。太陽の日射しと埃からも避けることが出来、現在この場所で5本の麺棒が納まってます。



これで一応の環境が整ったようで昨年の大晦日は7軒分(30人前)の年越し蕎麦打ちに挑戦。前日に出汁を取り、かえしを加えて汁の仕込み、当日は午前中に終わる予定で打ちましたが初めての1.2k玉打ちは指先に伝わる粉の抵抗やのしの大きさに手こずってしまいました。暫くは1.2k玉できちんと打てるようにし、気が早いようですが今年の年越し蕎麦は2k玉を三つ、60人前に挑戦、、、、、、(^.^; つづく



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