蕎麦打ち奮戦記



■秋のお招き蕎麦 
ハナミズキの赤い実
2003年11月2日


蕎麦で客人をお招き。と云ってしまえば先達に10年早いと叱られそうだが偶々地域のお仲間から手打ちの蕎麦で美味い酒を飲みたいと話が飛び込んできた。飛んで火に入る何とやらでこの機会に6月から延び延びにしていた課題を片付けて仕舞うことにした。
季節は秋、新蕎麦も手に入っており、後は蕎麦の手打ち具合と持てなしが出来れば格好はつくだろう。7〜9月と蕎麦打ちを休んでいたが總持寺での蕎麦打ち会で拝見した名人達の技は全ての工程において望ましい状態を目の当たりに出来、手探り状態の私は熱いメッセージを頂いた。



ポーチのコニファーと寄せ植え ススキに野いばらとピラカンサの赤い実の投げ入れ
狭い我が家は客人を迎え入れる設えには程遠いが玄関までのアプローチとポーチの鉢物を整え、季節感のある野花を花瓶に挿し、新蕎麦の香りが秋の雰囲気を創ってくれます。
赤い実に鳥ピー 道路際の寄せ植え




【つゆ】
醤油の発祥地とされる紀州湯浅の醤油300mlにみりんと砂糖でつくった「かえし」は6月に仕込んだまま冷蔵庫の中。出汁は自宅で採れた椎茸を天日干しにしたものに自然食品愛好家から頂戴した三浦の昆布、それに削り節。前日に出汁をとり、かえしと混ぜて一晩寝かせ、当日湯煎して使うことにしました。三浦の昆布、これは失敗でした。葉緑素が溶けだしたように出汁が薄緑色に濁り、折角の一番だしはおじゃん。浜辺で自然採取した三浦の昆布はポリポリと硬くない歯ごたえで、酒のつまみに最高でした。


【器】

蕎麦には冷や酒がお薦め、酒に合うこれと云ったグラスはありませんから骨董のリキュールグラスと江戸切り子のロックグラスを用意。蕎麦盛りの器は自作することにしました。厚さ7mm、250mm角の杉板に水切りを掘り竹ひごで竹簾(たけす)を受ける簡単な物です。板目の変化が蕎麦の雰囲気を盛り上げてくれます。薬味入れ、100円ショップで見かけた竹製の優れ物。テーブルのセンターはキャンパス地(450mm)の綿クロス。


【道具の製作と収納】
冷蔵庫の上に収まった道具類収納
この機会に不安定な状態で鴨居の上に置かれていたこね鉢とふるい、駒板、麺棒を器類と共に仕舞う収納棚を作り、のし板とまな板は市販サイズの建材をそのまま利用することにした。しな合板(厚さ12mm、900mm角)パイン材の積層板(300mm×750mm)





【蕎麦と酒】
今回は美味い酒を飲みながら当人もゆっくりと会話が楽しめるよう客人が来る前に蕎麦を打つことにしました。そば粉はTOKYO蕎麦塾のメンバーに紹介していただいた古川製粉さんより。日本酒は客人持ち込みの「越乃寒梅」と田舎から取り寄せた福田酒蔵さんの「冷水岳」「磨法の泉」「カピタン10年(麦焼酎)」でした。

思いたったように始めた「お招き蕎麦」、タイトル程の大げさなものではありませんでしたが蕎麦打ちを始める原点がここにあり、気心知れた仲間を迎え、美味い酒を奏でる時間が共有出来ればと、、、、つづく



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