■全てに通じる自然の活かし方


y-homeのタイトル画になったガフの絵

建築も造園もその資材の多くは自然界の恵みを得て構成されています。
資材ばかりでなくデザインの原点も山の形を模した三角錐の型や半月を
イメージした半円の型、巻き貝の渦巻き型、スズランの提灯型などが随
所に使われます。
建築は膨大な資材と人出を要する為、経済性と自然保護の観点から古く
より材寸や構法に基準を定めて生産されて来ました。特に一次加工が容
易な木材と石材、煉瓦に顕著に現れています。それは古建築でも建築絵
図や手板図を元に建築され職人の意志疎通を図るものです。完成した建
築は人間を自然界の雨や風、太陽、動物から身を守るシェルターの役目
を果たしてくれます。
それと対比するように造園の場合は石と樹木、花を組み合わせて自然界
の光と風と水の流れを匠に活用します。その技術は絵図では表現しえな
い程高度であり、その地の風土に裏打ちされた独自性が要求されてきま
した。

★ブルース・ガフの世界


◇drawing by BRUCE GOFF



◇建設地に存在する石材を積み重
ね建築された植物学者の棲み家

 ライトの建築に影響を受けたブルース・ガフが
 昭和47年二度目の来日の時、展示会と講演会で筆者がお会いしたと
 き撮影したスケッチです。
 大地から自然に立ち上がったような印象を受ける建築です。

 ガフが求めたデザインは幾何学的でなく
 「岩も樹木も人間も幾何学的でない物へと美を見いだし、大地から自
 然に立ち上がる物は全て美しく、そんな建築を造りだしたい」と語って
 くれたガフの言葉が蘇って来ました。

ガーデニングショーのテーマである
「日本人の心に蘇る庭があります」とガフの言葉を重ねてみました。




★自然の韻が聞こえる






旧い家、土塀、石積み、池どれもが日本の原風景であり懐かしい居心地の良さを感じさせます。







★ 湿 地



 この空間へ紛れ込んだとたん、ここが展示の一部であることを疑ってしまいます。
湿地にはえる植物はどれもが自然の姿そのまんまであり、僅かの時間に棲みついた昆虫達も自然の恵みを受けます。



 


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